- 構造物点検
- これからの時代の問題となるのが、日々の生活で利用している道路、橋や下水道などの社会基盤の老朽化です。落橋や道路の陥没事故などの原因となります。無駄な出費を抑えつつ、安全を確保するためにインフラの点検を定期的に行ない、必要に応じて補修して、社会資本をできるだけ長く安全に活用できるようにしています。
- 点検にはその内容に応じて特殊な機器や検査方法を用います。たとえば橋梁の点検では専用の橋梁点検車を使用することがありますし、ガードレールが決められた長さだけ根入れされているか調べる「根入れ調査」の際には、超音波による非破壊検査を行なっています。
- 交通量調査
- 無料化して以降、のと里山海道(旧:能登有料道路)の交通量が増えました。北陸新幹線が開通して以降、JR金沢駅付近の交通量が増えました。このように新しい公共交通路線や道路ができたりすると、人や交通の流れが変わります。
- 交通量調査は、今後の交通計画を考える基礎資料とするために行なっています。
- 防災調査
- 防災技術に示したような防災対策の必要性を判断するための基礎資料を作るのが防災調査です。例えば、急傾斜地が崩壊する恐れがないか、地すべりが起きていないか、山肌に転がり落ちそうな岩石がないか、大雨の際に土石流が発生しそうな状態になっていないかどうか等です。
- これらの調査を行ない、総合的に判断して、対策の緊急度を判定しています。
- 地質調査
- 土木構造物を造るためには、その下の地盤を知ることが重要となります。地盤の情報を得るために地質調査や土質調査を行なっています。
- 地質調査とは地下構造(地質)を解明するために行なう調査で、土質調査は土そのものの性質を知るために行なう調査です。
- 各種測量
- 土木構造物の設計では、土地の形状を把握し、その土地に最適な構造物を設計することが求められます。正確な地形を把握するために測量作業は欠かせないものです。
- 急傾斜地対策
- 山間部の道路を走行しているとよく見かける、山裾の民家裏の傾斜の急な部分(崖)にコンクリートが吹付けてあったり、格子状のコンクリート枠で押さえてあるのが、急傾斜地の崩壊対策の構造物です。
- これは、地震や大雨等による将来的な崩壊を予防し、居住者等に危害が及ばないようにするためのものです。
- 落石対策
- 山腹に今にも落ちそうな岩を見かけることがあると思います。その山腹の木立の中にはさらに多くの岩が隠れています。それらの岩が落ちた場合、人家や施設に重大な損傷を与えたり、犠牲者が出る場合があります。
- 危険性の程度に応じて、柵を立てたり網を張ったりするなどの対策を行ない、落石による事故を防止しています。
- 土石流対策
- 山に大雨が降って沢が部分的に崩壊すると、雨水と一緒に土砂や倒れた樹木等が混じったものが一気に流れ下る土石流になり、あっという間に下流の人家や道路などに被害を及ぼし、時には人の命も奪ってしまいます。
- そういう可能性の有る場所に砂防ダムを作って、土石流の被害防止を防止しています。
- 治山対策
- 山腹にある樹木は根によって土を押さえ、山の崩壊を防いでいます。このため山が荒廃するなどして樹木が失われると、山腹崩壊の危険性が高くなります。
- 植林や治山ダムの設置などの対策により、山の崩壊を防いでいます。
- 道路
- 道路は日々の生活に欠かせない社会基盤です。道路の幅は交通量から、舗装の厚さは大型車の交通量から、カーブの曲率や勾配は車輌の速度から決まります。
- 皆さんが道路を安全に通行できるのは、安全性を考えて設計されているからです。
- 橋梁
- 河川に架かる橋は、普段、橋桁から上の部分だけしか見えないでしょうが、その下には橋を支える橋台や橋脚が、さらにその下には橋を支える杭などがあります。
- 大きな地震や洪水等が発生しても壊れないように、橋に関する構造も年々バージョンアップしています。
- 河川・砂防
- 最近の川の改修では、側の側面をコンクリートで固めずに、自然を活かす構造になっています。砂防においてもスリット型の砂防堰堤のように、普段流れてくる土砂は溜めずに下流に流し、土石流が起きた場合にだけ土砂や流木を食い止める働きを持っています。水の流れも変えないため、魚の移動も妨げません。
- このように人間と自然が共生できる環境作りを心がけています。
- 上下水道
- 石川県全体の上水道整備率は95%近く、下水道整備率は80%を超えています。金沢市など97%を超えるところがある反面、能登地区や山間部ではまだまだ低いところがあります。下水道は、汚水を処理して、人間が快適で衛生的な生活を送れるように、また、川や湖の水をきれいにしてよみがえらせています。さらに台風や大雨のときに雨水が溜まらないようにもしています。
- 農業基盤整備
- 農業も石川県の重要な産業です。国の政策としても食糧自給率の向上が求められており、ほ場整備、農業用の用水路やため池の整備事業は、需要の動向に応じた農業生産の再編成を促進するために必要なものです。
- 農業以外にも林道や漁港の整備事業のための設計も行っています。